縄文土器の声
昨日、夕方ゴロゴロしていたらうたた寝してしまって、何処からともなく聞こえてきた移動豆腐屋の「ぱー、ぷー」という笛?の音に起こされました。
目が覚めた時は寝ぼけてて、今が遠い子供の頃の昭和の夕方に思えた一瞬でした。
火焔型土器
かつて、日本国内で縄文土器や土偶などに歴史的価値以外の文化的価値や芸術性が認められていなかった頃、パリで展示会を開いたら「1万年前の日本に何人ピカソがいたんだ?」とその芸術性が高く評価されたことを受け、再評価の機運が高まり、その後国宝に指定されるまでに至ったと聞きます。
現代でも陶芸や造形に関わる人だけでなく、その姿を見た人の多くが圧倒され惹き込まれているのではないでしょうか。
私も実物を見たことがありますが、中でも火焔型土器は、全てのパーツが規則正しくビッシリと周囲を多い、全体のフォルムもシンメトリーに仕上がっていますので、作者の即興ではなくて、事前に決められたデザインが具現化されたものと思います。
どう見ても、生活用の消耗品とは思えませんので、儀式や祈りのためのモニュメントや道具として、その模様やパーツの形にもぞれぞれ意味があるのでしょう。
しかも、製作中に発生するはずのバリやはみ出しなどが綺麗に取り除かれていることや、全ての模様やパーツは付け加えられたもので、その手間のかかる行為からも火焔型土器を作ることへの尊厳すら感じます。
模様を入れるだけなら、付け加えるよりも削ったり穴を空けたりする方が楽だし、手っ取り早いと思うので、手間を掛けること自体にも意義がるのかと。
人類史上稀な戦争の無い時代がではありましたが、子供が成人まで生きる確率が低い時代、生活の糧を自然からの恵みに頼っていた時代、自然災害に運命を左右されていた時代に、祈りを捧げることでしか心の安寧は得られなかったのではないかと思います。
見れば見るほどに、作者の心情や祈りの声が聞こえてくるようで、想像が尽きることはありません。
縄文ランプ
私が子供の頃は「火焔土器」と習った記憶がありますが、火焔土器とは、正しくは新潟県で一番最初に発見された特定のもののみの呼称だそうで、それ以外のものは「火焔型土器」というそうです。
私も土でモノづくりをしている一人として、火焔型土器や遮光器土偶などに大いに惹かれます。
その中で縄文土器をモチーフにした作品に何度か挑戦してきましたが、いずれも形に表現できず今日に至りましたが、今回またやってみました。
珊瑚砂と漆塗りで作ったランプからイメージを膨らませたのですが、上の広がった部分をかなり大きくしないとバランスが取れないことに気づき、結局この形に収まりました。
収まったというより、火焔型土器のイメージのままですよね。
ホントワタシアタマカタイ。
でも、形としては当然のように纏まりましたので、このまま焼くことにします。
まだ上手く焼き上がるか分かりませんが、作品としては、花器や香炉としてだけでなく、月の形を3Dプリンターで再現した市販の「月のライト」とそれを乗せる台を作って、ランプとしてご提案したいと思っています。
ちなみに、今回の発想の元になった珊瑚砂のランプと最初に作った失敗作はこちらです。
結局、3日間にわたり4回作り直して、5回目にして上記の形になりました。
前述のように、実物の火焔型土器がパーツを付け加えることで作られているのに対し、私のものは全て削り取ることで作りました。
せめて製作手法だけでも真似しないのが、縄文人と土器との関係に立ち入らないリスペクトのつもりです。
ちゃんと焼き上がったら、またご報告させていただきます。
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