鎬模様を大胆に
昨日の大寒は、沖縄では「ムーチーの日」で、厄払いと無病息災を祈って、水で錬った餅粉を月桃の葉に包んで蒸した鬼餅(ムーチー)を家族で食べる日です。
家族総出でムーチーを作る光景は毎年微笑ましいです。
中でも1歳の子を持つ初ムーチーの家庭では、通常よりも込める思いがひと際で、更にその子が長男だと、クバの葉で特別にしつらえたチカラムーチーをいただく慣習もあるそうです。
毎年この時期は各家庭で作るための材料がスーパーにズラリと並びますが、今年はコロナ禍で家族の集まり勧めない配慮か、例年よりも材料のコーナーは縮小されているようでした。
代わりに、ムーチーを売る店では例年以上の注文だそうで、このムーチーの日へのウチナンチュの思い入れは大きいようです。
ちなみに、鬼餅の名の由来は、昔、妹が嫁いだ寂しさから荒れて鬼になった兄が、村の家畜を食べ、人まで食べていると聞いた妹が里帰りし、釘の入った餅を鬼に食べさせてから、崖から突き落として殺した。という伝承からだそうです。
釘ではなく瓦という話もありますが、鬼を突き落とした場所といわれる首里の金城バンタは現存しています。
少しコワい内容ですが、全国でも古くから鬼は疫病や災害の象徴で、鬼を退治した餅を食べることで、厄除けと無病息災のまじないとして今に伝わっているのではないでしょうか。
削り出しの作品
陶芸で、成形カンナやカキベラなどを使い、器の表面に線条の溝を彫る加飾を鎬(しのぎ)といいます。
鎬とは、「鎬を削る」の由来である日本刀の側面に縦方向に入れる溝のことです。
陶芸での定義は知りませんが、広い意味では溝状の模様全般を指すと思います。
私の作品は、透かし彫りや鎬を施しているものの方が多いですが、最近はこの鎬をもっと大胆に、自由にやってみようと、削り出しでシルエットを作る新しい試みをしました。
作業する際は、概ねのデザインを考えたら下書きをしないで、思うに任せて削っていきます。
凹凸を大きくするため、かなり深めに彫るので、一筆書きのような勢いのある線ではなく、何度かなぞりながらカンナの刃の跡が残るくらいにしています。
仕上げのやすりがけも刃跡を消さないように、軽めに。
途中で隣り合う溝の境の山が欠けたり、薄くてひび割れたりするのも直さずそのままに。
勢い余って削り過ぎて、穴を開けてしまったりも。
それでも、新しいものは、繰り返して少しずつ要領を得ていくものだと、開き直って挫けずやってます。
今回は珊瑚砂の土でやりましたが、他の土でも作っているところです。
一つ一つに結構時間が掛かりますが、今まで単純な連続模様が多かったので、このやり方はこれからも続けていきたいと思います。
手にされた方にも有機的な手作り感を楽しんでいただければ、大変嬉しく思います。
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