今季の丁子風炉
今年はベランダの椿が今までで一番多く蕾を着けていて、日に日にふっくらと開いてきました。
とても楽しみです。
今日は、丁子風炉について書かせていただきます。
私は沖縄の地元テレビ番組で紹介されているのを見るまで、丁子風炉というものを聞いたこともありませんでしたが、その堂々とした佇まいと風雅なビジュアルに魅了されて、昨年から作り始めました。
丁子風炉とは
丁子風炉は、上の窯(ポット)に乾燥させた丁子(クローブ)と水を入れ、灰を入れた下の炉で炭を焚き、一年を通して、室内の芳香や傍に吊るした衣服に香りを移したり、防虫効果をもたせるのに使われます。
沖縄だけのものでなく全国に広がったそうですが、元は渡来物なのか、調べてもこれという答えが見つかりません。
その中で、貴族や士族だけでなく庶民にも広がり、今でも日常的に使っている家庭が残っているのは沖縄くらいと聞いています。
現在お作りになっている沖縄の陶芸家の方々は他にもおられますが、需要はそう多くないゆえに受注生産が主のようで、店頭はもちろん市場にも殆ど出回っていないと思います。
製作には手間が掛るので、その陶芸家さんも前述の番組の中で「窯入れ前の忙しい時には作りたくない」と笑っていました。
そうは言いながら、「もっと多くの人に知ってもらいたい」ということで、その方はコンパクトサイズのものを安価で販売されていました。
いざ作ろうとしたら
私が昨季作ろうとした際に困ったのは、「見本」になるものが身近にないんです。
見る機会があるのはネットの画像や博物館、美術館くらい。
なので、外観はともかく機能的なことをどう仕上げるべきかがイマイチ不明。
他の陶芸家の作品を拝見しても、その方々も条件は同じなので、何が正解か不明のままそれぞれのお考えで作られていると思います。
少なくとも、丁子を焚くことができれば、それで一先ず良しとしたいところですが、そうはいってもいい加減なものは作れないので、私なりに色々調べて、自分なりのデザインと手法を何とか考え出した次第です。
今季の丁子風炉
昨季に続いて、今季も2セット作りました。
下の炉と、上に乗せる小さい窯(ポット)で1セットです。
形だけなら1セット作るのに1日あれば十分ですが、炉の鎬模様や透かし彫りを入れたりするので、私はゆっくり乾燥させて2日かけて作ります。
使用する際は直火にかけるわけでなく、灰を入れた上で炭を焚く程度なので、他の方々の作品のように陶土に耐熱性を持たせなくても大丈夫かとは思いますが、私は心配性なので、色のバリエーションは落ちてしまいますが、耐熱性の土を使います。
先日火鉢の記事でも書きましたが、現在、今後に向けてオリジナルの耐熱性の粘土を試作中です。
今季で2回目ということもあって、全体のフォルムや炉の鎬模様など、今回の出来は当初のイメージに大分近づきました。
使う時だけ出したり仕舞ったりせずに、置きっぱで、一年中眺めていただけるような味のある佇まいを目指しています。
また、下の炉だけを手炙りの火鉢や香炉としても使えるように、上の窯の代わりに使える蓋もお付けしています。
丁子不風炉はいってみれば大きなアロマポットのようなものなので、丁子だけでなく、他のハーブやアロマオイルなどもご使用いただけます。
ただ、炭を焚き過ぎると沸騰して噴きこぼれることがありますので、水の量と火加減、炭の量には十分ご注意を。
他の方の作品は普通の土とガラス質の釉薬でできているとお見受けするので、噴きこぼれた湯が下の空焚き高熱になっている炉に大量に掛かると、釉薬部分が剥がれたり、最悪炉が割れるかもしれません。
私のは耐熱性の土ですが、それでも土鍋と同じように空焚き状態に大量の水(湯でも同じ)がかかると、破損する可能性は十分にありますので、要注意は同じです。
グツグツと煮立てるのではなく、ゆっくりと時間を掛けて香りを薫らせてください。
香りに包まれる風雅な時間をお過ごしいただければ嬉しく思います。
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オリジナルデザインの香炉、アロマポットやキャンドルホルダー、塊根植物向けの鉢や鉢台などの陶器を製作しております。
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