旗頭の大行列
10月10日
実は私の誕生日は先日の10日でして、もう「体育の日」ではなくなりましたが、昨年は人生二度目の東京オリンピックでした。
沖縄で10月10日といえば、1944年に米軍1400機が南西諸島全域を9時間にわたって空爆した「10・10空襲」として県民の記憶に刻まれています。
翌年の沖縄戦準備のための地形撮影と軍施設や軍艦の破壊が目的とされていますが、翌日まで続いた火災も併せて那覇市の9割が破壊され、民間人も本島全域で330人が死亡し、戦死した日本兵の数を大きく上回っています。
当然当時の日本政府は、国際法違反の無差別攻撃として抗議しましたが米国側には無視されています。
今現在行われている戦争と何も違いはありませんね。
正しい戦争なんてものはありません。
旗頭の大行列
9日の那覇大綱挽では、また綱が切れてしまい引き分けになりました。
今年は規模を縮小し、挽き手の人数を減らしたので縄も通常より細く設えたことが原因だそうですが、参加した人々の意気込みや力の方が想定より大きく上回ったのがスゴイと、良いように考えましょう。
私、大綱挽の時に島の各地から集まってくる旗頭の行列(うふんなすねーい)が大好きなんです。
今回3年ぶりにその行列も復活しました。
旗頭とは、沖縄各地の村や町の象徴や誇りを形にした飾り(灯篭=トゥールー)を太さ20cmくらい、長さ6~9m、重さ50kg以上の丸太の先に付けたもので、各村や町のシンボル、守り神のような存在です。
今回のような大行列や各地での祭りの際には、その旗頭を一人の持ち手が抱え、真っ直ぐ天に向かって上下に揺らしながら、倒れそうになった際に支えるさす股のような形をした「がっそう」を持つ男たち、ボラや鐘による囃し手などと一緒に、総勢数十~百人で街中を練り歩きます。
エイサーも心に訴えてくるものがありますが、この旗頭の行列も勇壮、優美で、内地の御神輿などとは異なる趣があります。
那覇大綱挽の日に、綱挽が始まる前に国際通りから行進してきた14旗が会場に集結して列をなす様は、言葉にならない程圧巻で、何度見ても感動します。
今年はテレビで見ましたが、それでもウルウルするくらい心に響くものがありました。
(今年の画像ではありません。画像元JTB沖縄)
現在、那覇大綱挽保存会に公式に登録されている伝統的な旗頭は14旗ですが、古い資料には20旗描かれているものもあります。
(那覇大綱挽公式HPより)
今年、沖縄戦で焼失した那覇市久米の旗頭の一番旗「青龍刀」が復活し、今年の大綱挽でお披露目されました。
上の絵でも、下の段の右から3番目に描かれています。
戦前までは久米だけでも4旗の旗頭があったそうで、その中の一つが復活しただけでも地域にとっては大ニュースですね。
私の住む近隣地域にも旗頭はありまして、伊祖旗頭です。
他にも浦添市に旗頭が幾つあるのか、あったのかネットで調べてみたりしたのですが、実のところがよく分かりません。
城間(ぐすくま)にもあるようですが、それぞれの生い立ちや、どのような象徴や誇りが形になっているのかも知りたいところです。
浦添は、全島が統一されて琉球王朝が成立する前は、太陽王と呼ばれる英祖王が治め最も繫栄した「中山」ですから、伝統的な旗頭が沢山ありそう。
作り手不足や資料が乏しいという事情もありましょうが、各地域のシンボルである旗頭が全島で復活して欲しいものです。
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