宮古島のパリジェンヌ

　うるま市石川で「まるあらい」と言うと、「丸洗い」ではなくて「とても凄い」という意味だと地元のタレントさんが言っていました。

　「まる」が「とても」で「あらい」が「凄い」だそうです。

　それを聞いてた他のMCたちに「それは石川だけだよ」と言われていましたので、ウチナーンチュ同士でも生まれ育った地域以外での独特な方言は難解のようですね。

　同じ意味の一般的な沖縄方言では「でーじあらい」ですかね。

　例を挙げると切りがなさそうですが、宮古島で畑のことを「ぱり」と言うそうで、地元では畑仕事をする女性のことを「パリジェンヌ」と呼ぶとか、呼ばないとか。

　ご存じの方も多いと思いますが、沖縄方言で「〇〇しましょうね」と言うと「（私は）〇〇します」という意味ですので、宮古島で「そろそろパリに行きましょうね」と言われても慌てないように。

　前述のように沖縄の離島はもとより、本島内でも地域や集落によって言い方や言葉に違いがあって、それぞれの地域の方言を「しまくとぅば（島言葉）」、それらを総称したいわゆる「沖縄方言」が「うちなーぐち」です。

　ユネスコによって沖縄の遺構や自然が世界遺産に認定される一方で、うちなーぐちは消滅危機言語に認定されています。

　うちなーぐちには私たち県外出身者が聞いても、美しい響きの言葉や和かい言い方が沢山あるので、是非使いながら残していっていただきたいものです。

　ちなみに、トップ画像「宮古島まもる君」の横に立っている「アガンニャ  なんで止まらんか？」の「アガンニャ」は宮古島方言で「あらまぁ」。

　※正しくは「まもる君」は宮古島警察署前勤務なので、画像は「まさお君」か2019年に交代した「まさかつ君」かと。

うやむやにせぬよう

　今年1月に警察官の警棒がバイクに乗った高校生の右目に接触して片目させた事件で、事件から9か月後に当該警察官は「故意犯」と判断され、特別公務員暴行陵虐致傷の疑いで書類送検されました。

　この書類送検は起訴を前提としているそうです。

　警察も「信用回復する」として県内の各署長を集め再発防止、指導徹底をうたい、いまだに続く被害者高校生に対するデマや誹謗中傷を制する呼びかけをしています。

　しかしながら、警察による公表はあくまで「職務質問のためバイクを停止しようとしたが従わず、そのため腕を掴もうとした際、持っていた警棒が目に当たった」としているのに対し、高校生は「制止は求められてはおらず、暗がりから急に現れた警察官にいきなり殴られた」と全く食い違っています。

　つまり警察はただの「やり過ぎ」を主張し、高校生側は「理由のない暴行」を主張しているということです。

　また、高校生側の代理人（弁護士）によれば、警察の上記公表内容は書類送検公表前に被害者と家族にした説明とは大きく異なり、高校生側に非があるような内容になっており到底受け入れられないとしています。

　事実であれば、警察の被害者に対する誠意や真摯に事実との向き合う姿勢は見えてきませんね。

　「警察官が職務遂行の際に必要以上に力を加えた結果暴行に該当する行為となった」のと「警察官が非のない少年に警棒を使って暴行を加えた」のとでは、罪の質や重さが全く違う。

　全国放送でも取り上げられているこの事件。

　遠い沖縄の小さい事件としてうやむやに終わらせてはいけません。

　ヤフコメなどの高校生に対するコメントは、例によって無根拠、無責任の憶測によるものばかりが目立ちますが、誹謗中傷コメントに「イイネ」を押しただけでも刑罰対象になることを忘れるなよ、と言っておきたい。

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