ひびを愛でる 嘯裂文(しょうれつもん)
本島の寒緋桜前線が南下してきて、南部の街中でも鮮やかなピンク色の花を其処かしこに見ることができます。
日中は半袖でも過ごせる日が続いていましたが、明日から纏まった雨が降るそうで、今日は少しヒンヤリした空気が気持ちよい沖縄です。
日本人のおなまえ
先日のNHKの「日本人のおなまえ」で沖縄の地名のことをやっていましたが、面白かったですね。
「那覇」は、埋め立て前は島だった那覇の周囲に、波で下部周囲が削られてキノコ状になったキノコ岩が沢山あったことから、方言でキノコの意味の「ナバ」からきているとか、「糸満」は、鎖国中に現在の糸満沖合で難破した英国船の乗組員8人を住民が世話をし、「8men(エイトマン)」への友愛から「糸満」になった説とか。
他にも、「首里」と「守礼」は支配するという意味の「スイ」に、相手によって異なる漢字を当てて使い分けたこと(今でも首里は方言でスイと読みます)や、戦後の収容所があった現沖縄市の中心地「呉屋」の地名を、米軍関係者が「GOYA」「KOYA」と記したところ、その後「Y」を筆記体が似ている「Z」と誤記もしくは誤読したものの方が定着したという説など。
所々に、琉球王国や沖縄の人々の知恵や人となりが地名に表れていることが伺えます。
ウチナンチュの方々でも、気にしたことない、知らなかった人も多かったのでは?
私も「チャンプルー」が同音同意のインドネシア語だったとは知りませんでした。
嘯裂文
ここ数日は天気が良く湿度も低かったので、うっかり乾かし過ぎる場面もありましたが、作陶には丁度いい日々でした。
明日は素焼きです。
今回は抹茶茶碗と一緒に、水差しも作りました。
そのうちの一つは、私は裂紋と呼んでいますが、一般的には嘯裂文(しょうれつもん)といわれる加飾をしています。
陶芸における「嘯裂文」の定義は、正直分かりません。
やり方は人ぞれぞれかもしれませんが、基本的には、成形途中で表面だけ先に乾かした後に、内側から押し広げることで表層だけにひび割れを作る技法です。
乾かし過ぎると目標の大きさに膨らむ前に裂けてしまったり、乾燥が足りないとひびが十分に出なかったりと、狙い通りにひびを入れるには慣れが必要と思います。
随分前にYouTubeで見た番組では、内側が裂けないように、表面に薄い層を一枚貼り付けて、その層だけに嘯裂文を入れている作家さんもいました。
大きい花器などは、そうした方が無難ですね。
容器として使用するものは穴が開かないように、一定の厚みが必要になりますので、比較的重たい作品にはなります。
私も、今までに一発で狙い通りというものは中々できなくて、作り直すことは日常です。
それでもこの「ひび」に惹かれるのは、人の手の届かない偶然性がある面白さと、いかにも土らしい、土ならではの表情ゆえでしょうか。
人間国宝の陶芸家も魅了する嘯裂文。
私はわたしなりに、これからも工夫と習熟を重ねて、より自分らしい作品にしていきたいと思います。
まずは、今回の水指、上手く仕上がって欲しいな~(神頼みw)。
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沖縄でやきもの作家として活動しております、陶房然庵の松野然と申します。
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